内山節先生の寺子屋へようこそ

みなさん、こんにちは。哲学者・内山節先生の寺子屋の運営事務局です。

ここでは、この寺子屋について、予め共有しておきたい大切なことを書かせていただきますので、ご参加される方はご一読いただけますと幸いです。

寺子屋のはじまり

もともと、この寺子屋は2015年4月からはじまりました。

内山先生が立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の教授を2015年3月に退官されるにあたって、ゼミ生から学びの場の継続を求める声があがり、退官された翌月から、ゼミ生の一人であった延命寺の副住職が、そのお寺でスタートした、というのが成り立ちです。

それから、寺子屋は年に10回(9月と3月を除いて月1回)のペースで開催してきました。

寺子屋のスタートが立教大学で開催していた自主ゼミの流れを汲んだものだったので、2019年度までは、「自主ゼミの時間(参加者からの発表と質疑応答の時間)」と「内山先生のお話の時間」の2段階でやってきました。

懇親会では、参加者が持ち寄った飲み物と食べ物を囲んで、内山先生とともに、参加者同士、交流を深めていました。そこには、立教大学の内山ゼミつながりの人から、ホームページで寺子屋を知って参加しはじめた人、人づてに知って足を運んでみた人、昔から内山先生のファンだった人、ご近所の人など、多種多様な人たちが集っていました。

内山先生のお話は予め決まっているわけではなく、先生が「今度はこれにしましょう」といってレジュメを1週間くらい前に共有してくださる、というやり方でやってきました。主なテーマとしては、日本において仏教が民衆にどのように広がっていったかというお話や、修験道のお話でしたが、時に社会問題を扱うこともありました。

新型コロナの影響からオンライン開催へ

2020年になり、新型コロナの影響から直接に集まることができなくなってしまいましたが、活動を止めることなく、4月からはオンラインで続けてきました。

まさに、今の私たちが直面していることを取り上げたいということで、【コロナウイルス問題と私たちの社会】というテーマで、「内山節先生と一緒に、新型コロナウイルス問題について考え、対話することで、〈これから〉に備えていく」ということを目的に、2020年度は開催してきました。

各回の内山先生のお話は、その都度の社会状況を見ながら、その時々に分かち合いたいことをお話いただきました。また、このような緊急事態の中で、より多くの人たちと内山先生の話を分かち合いたい、という想いから、第1回から第5回までのお話はYouTubeに公開し、2020年度のオンライン寺子屋のページでは、まとめて閲覧できるようにしてあります。

当日は、内山先生のお話だけで終わらず、お話を聞いた後、小グループに分かれて感想共有をしたり、質疑応答の時間を取ったり、全体で対話していく時間を設けて、参加型で進めてきました。

お互いの「みえている世界」を語り合う寺子屋へ

2021年4月からは、場所を下北沢の永正寺(HPはこちら)に移して、リアルな場も再開させつつ、オンラインでも参加できるようにしてきました。

2021年度の内山先生のお話の一年間の統一テーマは、
【私たちはどこに帰るべきなのか ― 仏教をとおして日本の民衆思想を読みとりながら】
新たに会場としてお世話になることになった永正寺が曹洞宗というご縁から、曹洞宗にとって重要な経典でもある「修証義」を参考文献に、このテーマで内山先生からお話をいただきました。

また、延命寺の頃に実施していた「参加者からの発表の時間(ゼミの時間)」も復活させ、寺子屋に連なる人たちが、自由に発表したいことを発表する機会も生まれました。

内山先生の著書『哲学の冒険』の冒頭には【哲学とは「自分のみえている世界」を語ること】という言葉もありますが、まさに、この寺子屋では、「自分のみえている世界」を語り合うことを通して、人が人に触れるような、そんな出会いが生まれることを願って、運営しています。

2022年度のテーマは【宗教、信仰、願いがつくる世界観について

2022年度の寺子屋も、引き続き、前半は「参加者からの発表の時間」、後半は「内山先生からのお話の時間」という二部構成で進めていきます。

今年度の内山先生のお話のテーマは【宗教、信仰、願いがつくる世界観について】です。

内山先生と参加者のみなさんと一緒に「無事な信仰とは何か」について考えていけたらと思います。

ぜひ、これまで参加してくださっていた方も、今回はじめての方も、どなたでも歓迎いたします。皆さんのご参加を心からお待ちしております。

「内山節先生の寺子屋」の運営事務局一同




運営事務局メンバーについて

古瀬 正也(Furuse Masaya)

1988年生まれ。埼玉県戸田市出身。現在、神奈川県鎌倉市に在住。普段は、古瀬ワークショップデザイン事務所という屋号でフリーランスのワークショップデザイナー、ファシリテーターをやっています。2011〜12年、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科で内山先生にお世話になり、この寺子屋には何度か足を運んでいたくらいでしたが、寺子屋がオンライン化するタイミングで、運営事務局に合流することになりました。主に、当日のファシリテーターを担当しています。

谷口 起代 (Taniguchi Kiyo)

1968年生まれ。千葉県船橋市出身。引っ越し回数は海外(カナダ)も含め20回程。現在、千葉県松戸市在住。50歳で同級生と共に合同会社共創ラボを設立。立教大学社会デザイン研究所研究員(リレーショナル・ヘルス研究会主宰)。2011年に立教大学の内山ゼミへ。先生が退官される間際のぎりぎりセーフで博士論文を書き上げ無事卒業させていただきました。2015年4月からはじまった寺子屋には常連参加。2020年4月から寺子屋が「コロナウイルス問題と私たちの社会」をテーマにオンライン開催することになってからは、主に寺子屋プロジェクト全体の切り盛りとアーカイブ資料の作成を担当しています。

笹谷 遼平 (Ryohei Sasatani)

1986年生まれ。京都府向日市出身。現在神奈川県川崎市在住。六字映画機構主催。映画作家。2017年に短編映画「カミカゼという名の塹壕」2019年に長編ドキュメンタリー映画「馬ありて」を発表しました。2019年に撮影した長編劇映画「山歌(サンカ)」の公開が控えています。「馬ありて」の取材中の2015年、ひたすら馬を撮り続け、素材だけが増え、映画の企画そのものが迷走を重ねていた時、縁があり寺子屋に参加しはじめました。この度オンライン化の折に運営チームに加わり、映像アーカイブの編集、ときに撮影を行っています。


林永照 (Kobayashi Nagateru) (2015年~2020年まで。現在休憩中)

1986年生まれ。葛飾区青戸出身。5歳で得度、18歳で灌頂の儀礼を通過するも、仏教の教えと日々の体験との間のギャップにもがき苦しむ。迷える僧侶。2010年、立教大学21世紀社会デザイン研究科で内山先生に出逢い、伝統的な農村共同体と共にある神仏の世界に息吹を感じる。2015年4月より寺子屋がはじまり、2020年8月まで運営事務局。お寺を開くさまざまな活動をしてみるも、コロナ禍でお寺の役割に再度、疑問と迷いが湧き水のように噴出、2020年10月からの寺子屋には「学ぶ者」として参加することを願いでました。先生からは、「小林さんは非聖非俗の愚禿小林路線で行けばいいんじゃないかな」との言葉を賜り、目下修行中です。


ゆかいな仲間たち(Yukaina Nakamatachi)
ときにスタッフ、ときに発表者、ときに野菜市などを開催。内山先生の寺子屋は、核になる事務局メンバーと一緒にいつも3から5名くらいの「ゆかいな仲間たち」が主催側であると同時に参加者という立場で、場を作り上げています。