10/14 更新情報

寺子屋本番まであと2日に迫りました。

「土葬の村」の読者からのメールで、宮崎県の村で「念仏送り」と呼ばれていた風習について問い合わせがありました。お通夜で契約講という葬式の村の互助組織の人びとが集まり、円座になって正座して座り、念仏を唱えながら数珠を何周かまわしたのだが、どういうものだろうか、他県でも似たような例はあるのだろうかというのです。

ピンと来たので、返事しました。念仏送りというのは、関西では百万遍という数珠繰りのことで、浄土教系の寺でよく行うものですが、全国的にも分布しています。こんな感じじゃないでしょうか、と書いて添付ファイルを添えました。すぐに「まさにこれです!」という返事をいただきました。

百万遍の数珠繰りというのは、老若男女が集い、大きな数珠を膝の上にのせて、ひと玉ひと玉を順に隣に送りながら念仏をうたう。それで故人を偲び、あの世へ送り出します。土葬・野辺送りの調査で奈良でも滋賀県でも見かけましたが、この切り絵のもとになったのは、昭和のはじめ大阪の下町の通夜で行われた例です。大坂の老舗葬儀社会長から聞き取りました。

私が聞き取りをしたのは近畿のごく一部の地域にすぎません。寺子屋でそうした話の交歓ができればうれしいなと思っています。

*切り絵は、百万遍の数珠繰りと、大阪市内の小さなお葬式(野辺送り)の模様を描いたものです。


百万遍の数珠繰り
大阪市内の小さなお葬式(野辺送り)