てらたんについて

てらたん  = 寺で胆力をつける

~コミュニティに『聴く』力を取り戻す~

離別や喪失による哀しみ、理不尽な出来事への憤り、嘆き、不安、焦り・・・

かつて、私たちの日常の暮らしには、聴き上手な人がいたり、さりげなく答えを見い出すお手伝いができる人がいたり、時には叱ってくれる人がいたりして、そんな日常の関係の中で人は癒され、生きる力を取り戻していったのだろうと思います。そして、人々の暮らしと共にあった近所のお寺や神社が、日々の暮らしの心のよりどころとなる教えを時に提供し、救いを実感する場として身近に在ったのだろうと思います。

現在、その役割の多くの部分は、心理療法の技法を駆使する心の専門家が担っています。

でも、もし日常の暮らしの中で、もう少し、自分自身の(そして他者の)声を、時にはまだ言葉になりきらないままにそこにある声を、聴き合えることができたなら…。現代人が、一旦、専門家に明け渡してしまったけれど、でも本来は私たちが持っている、痛みを分かち合い癒しあい励ましあって、共に生きることに向かう関係を日常の中に取り戻せるのではないでしょうか。

それには、自分を知ること、ありのまま事象を観て、ありのままに聴く、ということが必要なのだろうと思います。解釈や分析、そしてストレス発散!が得意な現代人にとっては、普段使っていない「力」、じーっくり物事をそのまんま観て聴いて感じる力を養っていくことが必要なのかもしれません。

「てらたん企画」は、そんな力をつけていくことを目的としています。

 「てらたん」は、「寺で胆力をつける」の略。

心の専門家が持つ知識や心の専門家が使う技を、暮らしの中でちょうど良く用いる使い方を学び、共に探求し、「聴く」力を人々の手に取り戻していきたいと思います。

※胆力:事にあたって、恐れたり、尻ごみしたりしない精神力。ものに動じない気力。きもったま。